死者が語る歴史
P23:ファン=ルナールのミイラ
P24:歯のセメント質は加齢により沈着、死亡時年齢を正確に推定できる。歯を水平に切断し、厚さ10ミクロンから15ミクロンの薄片を作り、木の年輪を数えるごとくセメント質の年輪を見る。そればかりか、セメント質は妊娠したとき、年輪の幅が広がるので、妊娠の回数と、そのときの母親の年齢も分かる。
P33:アニェス・ソレルは従姉妹アントワネット・ド・メニュレに殺害されたか?
P38:小麦にはひき臼の破片(鉱物の結晶)が混ざる。この穀物の加工品(パン、ビスケット)を食べるとエナメル質が磨耗しやすい。
P48:1792年8月、国民公会造幣局に対して、各地の教会の宝物、とりわけイエズス会の二つの聖遺物箱を鋳潰すことを許可した。以後墓あらしの大波が仏蘭西全土に広まるが、他国にはこのような時期は存在しない。フランス以外の国には聖人・聖女、国王・王妃、貴族・聖職者の遺体・ミイラが多数保存されている。
「ミュミ」=ルネッサンス以降の画家が用いたエジプト・ミイラの臓器(心臓)から抽出した茶色の顔料
P50:ブルボン家の王族は地中に埋葬されなかった。
P92:紀元前3200年から紀元後800年に亘る欧州の人骨7063体の頭骨の一つがダウン症。現在ダウン症児は15歳以上の女性から生まれた1500人中一人なので、遺伝学者の予想より低い。タバコと経口避妊薬という大きなリスク要因が古代には存在しなかったからか?
P93:ダウン症候群を示す4つの遺物:ダウン症を避ける厄除け?
P94:「エクウス・ドミティアーニ 2」はダウン症で、生贄?:傷や欠点のない五体満足な人間が犠牲になるという考えには疑問。
P96:チンチョロのミイラの皮:
P99:アルゴスノ骨:ヘラディック前期から現代までの骨で、多くはヘラディック中期からヘレニズム期(紀元前400-200年)のも。
16歳以上の大半は関節症、水頭症は母親が妊娠中にトキソプラズマ・ゴンディイという寄生虫に侵されたのが原因。良性腫瘍はあるが悪性腫瘍はない。慢性外耳炎。
「生物学的石灰化」
P116:ギリシャとローマの死と死者: