ジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書)

ジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書)

ジャーナリズム崩壊 上杉隆
第一章 日本にジャーナリズムは存在するか?
P25:米国の新聞記事には基本的に締め切りが「緩い」。・・・また、個性を主張するゆえに自らの立場を明確にする記者が多い。保守的かリベラルか、政府寄りか反権力か、その前提にあるのは、客観報道など不可能だと言う考えである。・・・一方で、日本の記者の多くは「客観報道」を標榜している。
P35:新聞の社説が「混乱」というのは決まって「値下げ」の時。
P37:番記者同士の「メモ合わせ=カンニング
P41:記事中の引用にクレジット(引用先)を打たないのは、日本のメディアだけである。海外では訴訟の対象になる。→「一部週刊誌」
P61:記者が経営に入っているので、同業者であるマスコミ批判が消滅してゆく。
P80:日本国民が敬愛する皇室を私物化しているのはまさにその宮内庁だ。
P82:日本固有の記者クラブ制度は僅かに韓国の一部にしか残っていない。
P84;EUは、日本の記者クラブは情報を独占し、非関税の貿易保護政策に当る閉鎖的組織として、毎年のように、「非難決議」を採択している。また、日本外国特派員協会も、30年以上前から相互主義に基づく、記者クラブの開放を求めて抗議を続けている。
第二章 お笑い記者クラブ
P95:首相のインタビューに当って、事前に同業者の許可を必要とするのは、世界広しとえども日本だけである。
P120:「期待権
岩瀬達哉『新聞が面白くない理由』
第三章 ジャーナリストの誇りと責任
P127:日本の新聞は「色」を嫌う。・・・新聞社の新卒採用で、ジャーナリズム学科や新聞学科の学生は、マスコミ就職に不利に働く。
P129:どのテレビ局内も「歩けば政治家の子女に当る」
P131:新聞の政治への過敏ともいえる気の遣いようは、逆の意味で、不偏不党に固執する素地を作り出している。政治との距離感を保つ術を知らないので、近づかないという結論に達しているとしかとしか思えない。
P132:「・・・君が色の付いていない新卒だったら、ニューヨーク・タイムズは一切興味を持たない」米国のメディアには新卒がいない。
P139:日本の新聞社は、米国であったら通信社として扱われるに違いない。
『官邸崩壊』
P153:「オプ・エド=反対論説」
P189:「・・・記者クラブの許可をお願いします」−実は秘書時代に筆者も使ったクチである。
第五章 健全なジャーナリズムとは
P192:「アフガニスタン・ルール」−取材対象が新聞発行地に近ければ近いほど、取材や記事執筆に困難が伴う。
P211:朝日新聞社会部の本田雅和