解明される宗教 進化論的アプローチ

解明される宗教 進化論的アプローチ

解明される宗教−進化論的アプローチ ダニエル・C・デネット
P26:動物に対する虐待行為を規定する英国の法律は、脊椎動物か否かで、重要な道徳的線引きを行なっている。・・・頭足類は最近、「名誉」脊椎動物とされた。
ある種の分析と批判の伝統的な免除−
P28:現代の多くのキリスト、ユダヤイスラム教徒は、神は全知であるから感覚器官を持つ必要はないし、永遠であるからその場で行為をすることはない、と主張する。
P30:(アメリカでは)サンタクロース信仰やハロウインは宗教的実践の子孫(の代用物)である。
P40:「はだかの王様」−その思い込みを大事にしなければならない理由を”知っている人”がいる筈だと、各人が思い込み、誰も敢えてそれをどうこうしようとはしないからである。
P47:神聖な価値とは、単に再検討されることが全くない価値のことである。
P75:18世紀の啓蒙思想依頼ずっと、多くの博識で聡明な人々は、宗教は、別の手段によっても満足が得られる人間の嗜好の対象なので、すぐに消えてなくなるだろうと、自信を持って考えてきた。
P78:激しい怒りと嫌悪感があったにもかかわらず、解剖への嫌悪という伝統は克服されたのだが、道徳と良識の崩壊は生じなかった。
P81:性に関する情報が広く行き渡ると、性的行動は、責任あるものになる。
P94:コヨーテの足跡は、驚くほど真っ直ぐ一列になっているが、飼い犬は色々な好奇心に任せて、その足跡は乱雑である。
P103:生殖のコストの回収は、子孫の誕生と共に送り込まれる寄生虫にとって、比較的謎めいた存在になっている子孫を作ることである。
P105:象やヒヒがマルーラの木から発酵している果実を食べて倒れそうになるまで酔っ払うのは有名で、果実が熟すまさにその時に、象がマルーラの木に向かって旅をするという証拠もある。
P126:適用度を高めるのに有利に働くのは、得ようと努める事であって、手に入れることではない。
P133:「アシュール期手斧」は「バイオファクト」
P170:B・F・スキナーのランダムにしか給餌されない鳩の「迷信」効果
P180:世界中の行為主体が全て同じ戦略的情報を共有しているのではないからこそ、全ての大河ドラマや悲劇や小説の全ての筋書きに絶対必要な緊張感や複雑さが生まれてくるのである。
P188:占い−理由を見つけなければならない重荷から、開放されるためである。
P195:人口の15%が強い被催眠性を示す。
P198:民俗宗教の儀式と歌に作曲家は存在せず、タブーと道徳的命令に立法者は存在しない。
P200:儀式という記憶強化手段は、ミーム伝達を確実にするコピーの正確さを改善するために、文化レベルの進化によって(もちろん自覚的なデザイナーによってではない)デザインされたものである。
P211:既に慣れ親しんだ決まり文句を繰り返すこと、これは、参加している儀式の原理を理解する必要がないということ、その儀式のコピーの正確さに関して修正を加えたいと思うことすら必要がないということ、である。
P222:不完全な知識を使うより、説得力の有る神話を使うほうが安全だ
P224:民俗宗教を実践する人々は、自分たちが宗教を実践しているとは全く考えていない。彼らの「宗教的」実践は、狩猟や採集、耕作や収穫と同じ、現実生活と連続性を持つ部分なのである。・・・「神学的な」詳細について尋ねられると、現地の情報提供者たちは、そのような質問全般に困惑してしまう。・・・人類学者によって掘り起こされた実に風変わりで酷く一貫性の無い教義の多くが、調査によって作られた人工物であって、現地に以前から存在する教義ではないとする辛辣な仮説を拒むべきではない。人類学者たちの質問攻めによって、情報提供者たちとの無邪気な共同作業による虚構が、新たに作られ結晶化された教理が、生み出されたかも知れないのだ。
P311:「メガ・チャーチ
P315:神があなたに見守っていて、あなたにオナニーをして欲しくは無い思っているとあなたが信じているなら、あなたはオナニーをしないだろう!
P327:SISのキム・フィルビー
P359:テンプル・グランディン
P373:今日のテレビショッピング番組は、サーカスのテントや芝居小屋を借りて自分の商品を売り歩く行商人の遠い子孫である。
P421:天国における褒賞が人々に良い行動をさせる動機だという観念は、下品で不必要である。
P445:インド洋沖アンダマン・ニコバル諸島のセンティネレーズ族、ジャワラ族
P453:アメリカの輸出品に対する憎悪を支えているのは、アフリカ系の存在感が強いので嫌だという人種差別や、女性の地位を尊重し、同性愛に(比較的)寛容なので嫌だという性差別主義なのである。
P463:人々は、自分の子供より−とりわけ、自分の娘より−無知であることを恐れている。
P504:直観像記憶−「鮮明な像の記憶」−の研究が長い間進まなかったのは、初期研究のいくつかがナチスによってなされたから。
P521:都市伝説は「誘発された再生」