複眼の映像 私と黒澤明

複眼の映像 私と黒澤明

複眼の映像−私と黒澤明 橋本忍
「藪の中」から「雌雄」を書き→「藪の中」+「羅生門」→「羅生門
P100:「テーマを絞れ、ストーリーは形のある短いものにしろ、人物は彫れるだけ彫れ」伊丹万作
P132:『本朝武芸小伝』→「七人の侍
「(シナリオ)仕事は1日も休んではいけない」黒澤明
P139:「七人の侍」−本木荘二郎の「室町末期の武者修行は道場、寺院、村での寄宿で可能」で決まる。
P177:黒澤組の共同脚本とは、同一シーンを複数の人間がそれぞれの眼で書き、それらを編集し、混声合唱の質感の脚本を作り上げる。
P203:山椒の葉を散らし寿司の上に隙間無く並べる。
P225:野村芳太郎黒澤明にとって、橋本忍は会ってはいけない男だったんです。『羅生門』なんて映画を撮り、外国でそれが戦後初めての賞など取ったりしたから・・・映画にとって無縁な、思想とか哲学、社会性まで作品に持ち込むことになり、どれもこれも妙に構え、重い、しんどいものになってしまったんです・・・『羅生門、生きる、七人の侍』は無かった方が良かったんです。・・・映画の面白さのみを追求していけば、彼はビリー・ワイルダーにウイリアム・ワイラーを足し、ニで割ったような監督になった筈です。」
P266:黒澤明の代表作は前期が『七人の侍』で、後期は『夢』になるのではなかろうか。