からくり民主主義

からくり民主主義

からくり民主主義 高橋秀実
序章
P10:世間とはどこかにあるものではなく、個人の感情を正義に転換する際、「世間」なるものが現れ、知らないうちにその代表となるのだ。
P17:「僕らはバカに合わせてバカな番組を作るんです」
1章 親切部隊
P21:社団法人「小さな親切」運動本部 「双葉に太陽」印
P22:席譲りのコツは「まず自分が座ること」
2章 自分で考える人
P49:文鮮明は「混淫、強制結婚、脱税」などで6回刑務所に
3章 忘れがたきふるさと
P65:大正3年文部省唱歌「兎追いし・・・」の兎は当時軍用家畜
富山の「たび乞食」:たび=ヨソでは乞食のように振舞おう
P68:(白川郷で)仏具を盗む、車庫の中でウンコする
P70:新渡戸稲造郷士会」
P73:クエーカーは「震える」、裁判でも「誓わない」
P75:日本人の新渡戸稲造が「日本人」になりすまし、そして「神」に気づかせる。その一つがベストセラー『武士道』、これは「伝道の書」・・・「自分では働かず、衣食住が足りていることにも、心の負い目を感じなくてすむ(山鹿素行)」いわば、ぶらぶらしている「言い訳」として確立した武士道を、新渡戸は、神が既に日本に蒔いた種とした。
P82:ブルーノ・タウト「この辺の景色は、もう日本的でない。・・・これはむしろスイスか、さもなければスイスの幻想だ」
4章 みんなのエコロジー
P88:「(諫早湾干拓事業)反対運動の中心は、もともと三池炭鉱の労働組合員だった人たちですけん。弁も立つし、行動に移るとスイッチ入ります。もめごとは慣れとります」
P89:「有明海のノリ不作」は養殖業者の「管理と腕」の差
P93:ノリ漁場の「賃貸料=年間300万円」は不作でも返還されない。
P110:不作の翌年2001年度、福岡のノリ養殖は前年比300%を超え、「不作で懲りたので、今年は秋芽網からしっかりノリを管理したのが功を奏した」
5章 ガリバーの王国
P117:「でも結局、この山でオウムで損をした人はひとりもおりませんでした」
P125:日本共産党竹内精一は「口先だけ」
P130:住民によるばこの地の簡易水道、道路舗装、基盤整備は全て、山梨選出の金丸信の「ツルの一声」で実現した。
P132:「ガリバー」の原義は「アホ」
6章 反対の賛成なのだ
P138:射爆地の山には50年間で40000発以上の不発弾が埋没しており
沖縄米軍基地の借地料総額は年間821億円で、地主である個人と市町村に支払われている。私有地地主28000人
P136:「あの中に(金武)町の人は一人も居ませんよ」
P139:「軍用地売りますと広告を出すと、電話が殺到します。特に滑走路下の土地が人気です・・・土地が売りにでると区が買い上げます・・・土地が反戦地主の手に入り契約拒否されとえらいことですから」
P141:「この町(金武区)は貧富の差が激しいサ。「寄留民」は借家だし、地元の人たちは共有地以外に自分の軍用地もあるから、働かなくてもいいから酒飲んで、バクチやってればいいけどさ」
P143:「基地が返還されたら大変です。・・・区有地などは借地料を受け取るための名義だけで、本当は誰の土地かなんて判らないんですから。」
P144:フェンスは地主の生活と和を守る。
P146:本土復帰前は本土でセールスをしていたが、復帰後、借地料が6倍になったので「おがみ」に沖縄に帰ってきた「基地の反対してくれれば、借地料がまた上がるサ」
P147:「戦傷病者、戦没者遺族等援護法」−「戦闘協力者」・・・「もらえるものはもらいなさい、という役場の指導があって、病気や空襲で死んだ人たちの遺族の便乗してもらったんです。申請書類には誰の命令で行動したか、を記入する欄があるのですが、なぜかほとんどが”田中軍曹”でして、調べてみるとそんな人実在しないんです。聞き取り調査をしても、本で読んだ話を自分の体験のように語るし、何人か集まってもらっても。”それを言っちゃダメ”とか、お互いにけん制しあう。結局丸く治めるには”みんな日本軍にだまされて協力させられた”という話にするしかないわけです。」(金武町教育委員会町史編纂室・奥間俊夫)
P152:「(普天間飛行場は)要するに、養豚場と同じなんですよ。周辺は土地が安いから、人が引っ越してくる。そのうち『臭い』と誰かが言い出して、テレビ、新聞に『臭い、臭い』と出て、『臭いから出て行け』と言うようなもんです。」・・・普天間飛行場には軍用地主2000人が、年間47億円の借地料を受領しており、70%が「返還希望しない」47%が「借地料が切れると生活が困窮する」
P166:「子供の頃、彼ら(米兵)は本当に優しくしてくれた。服や食べ物を与えてくれた。酔っ払って暴れることはあっても、シマで火事があると、真っ先に助けてくれた」
P168:アルフレッド・M・トッザー『琉球列島の沖縄人』
P170:(辺野古は)汚い海ですよ。採石場から赤土、生活廃水垂れ流しです、いまさら”海は宝”と騒がれてもね・・基地が来るから海は守るべき「美しい自然」になった。
7章 危険な日常
P172:「黒板協定」
P180:「島者」
P187:「原発誘致は賛成55、反対45くらいがちょうどええですわ。・・・全部賛成は困ります。このくらいのバランスだと、安全管理もしっかりやってもらえるから」
P188:(原発)反対とは立場ではなく、「不安を抱いている」という住民感情のアリバイなのである。
8章 アホの効用
9章 ぶら下り天国
P224:青木ヶ原への「出張自殺」は年間30-50体、きっかけは1959年松本清張『波の塔』
P227:「ぶら下り」の夏物は熱で伸びる
P228:第一発見者となると事情聴取など厄介なので「見て見ぬフリ」が西湖民宿村民の基本姿勢
10章 平等なゲーム
P247:ケイソン・バスケット
終章 からくり民主主義