潜水調査船が観た深海生物―深海生物研究の現在

潜水調査船が観た深海生物―深海生物研究の現在

潜水調査船が観た深海生物 深海生物研究の現在

P37:魚の死亡原因は捕食によるため、死んだ魚を目にすることは少ない
P39:熱水噴出や湧水現象に伴い供給される還元性物質を酸化した時のエネルギーを用いて無機炭素を固定(有機物を生成)できる微生物を化学合成微生物
カルビン・ベンソン回路
還元的クエン酸回路(あるいは還元的TCA回路)
3−ヒドロキシプロピオン酸回路
アセチルCoA経路
P44:化学合成は無酸素あるいは貧酸素域と有酸素域の境界で有効性が発揮される
P57:相模湾東シナ海・鹿児島湾の鯨骨生物群集はストランディングで死亡したマッコウクジラを人為的に沈めた
P65:初島沖:シロウリガイの放精は0.1-0.2℃の温度上昇がトリガ
(鯨骨生物群集)
P80:「鯨骨ステッピング・ストーン仮説」
P81:野間岬沖は2002年に座礁した12頭のマッコウクジラを基盤
P108:ヨモツヘグイニナ
P164:噴出孔と同じ環境を再現した水槽に放たれたイトエラゴカイは45-50℃帯に移動し、決して60℃を超えるゾーンには入らない。・・・単離された超好熱菌の最高生育温度記録は121℃・・・タンパク質が機能するためには、ポリペプチドが立体的に折りたたまれて、正しい立体構造を形成することが必要である。高温では、普通のタンパク質は立体構造がほどけてしまい、最後には絡み合い凝集してしまう。高温で生きる生物では、立体構造の内部を形成するアミノ酸には疎水性のアミノ酸を多く使い疎水性を高め、また構造表面を形成するアミノ酸にはアミノ酸同士でイオンペアを形成するようなアミノ酸を多く使って高温でもほどけ難くしている。
P192:ツノナシオハラエビは350℃の熱水から出る「中−遠赤外線」の波長に含まれる微弱な可視光を捉える
P330:発光バクテリアでは増殖して細胞密度が高くなると、その系に存在する微生物同士が同調して発光を始める。この微生物間シグナル伝達機構の鍵を握るシグナル物質は、高い生体膜透過性を持つアシル化ホモセリンラクトン(AHL)