健康情報をどう読むか 食べ物とがん予防 (文春新書)

健康情報をどう読むか 食べ物とがん予防 (文春新書)

食べ物とがん予防
P48:”緑茶に胃がん予防効果なし”は以下の「ステップ5」までをクリアしている。
ステップ1=具体的な研究にもとずいているか?
ステップ2=研究対象はヒトか
ステップ3=学会発表か、論文報告か
ステップ4=定評ある医学専門誌に掲載された論文か
ステップ5=研究デザインは「無作為割付臨床試験」や「前向きコホート研究」か
ステップ6=複数の研究で支持されているか
P82:ベータ・カロチンにがん予防効果なし
P72:表8 栄養とがんについてのまとめ・世界がん研究基金(1997年)
全般に「野菜、果物」は確実にリスク低下、食物からの「カロテン類、ビタミンC」はリスク低下の可能性あり、「冷蔵庫」は「胃がん」のリスクを確実に低下させる。全般に「タバコ、アルコール、肥満」は確実にリスク上昇、「肉類、動物性脂肪」はリスク上昇、「胃・大腸がん」に「加熱調理」はリスク上昇の可能性。
P75:がん予防のための提言・世界がん研究基金(1997年)
1.食物供給と摂取 野菜、くだもの、豆類、精製度の低い澱教質主体の主食など、植物性食品が中心の食事にする。
2.体重の維持 やせと肥満を避ける。成人期の体重増加を5kg未満に抑える。
3.身体活動の維持 仕事を通じた運動量が多くない場合には、1日1時間の早歩き、またはそれに相当する運動をする。過に1時間以上、強度の運動をする。
4.野菜とくだもの 1年を通して、1日400〜800g、または5皿以上の、野菜とくだものを食べる。
5.他の植物性食品 1日600〜800g、または7皿以上の穀類、豆類、芋類などを食べる。できるだけ加工されていない食品を選ぶ。砂糖を避ける。
6.アルコール飲料 飲酒は勧められない。もし飲むのであれば、男性は1日2杯、女性は1杯未満にとどめる。
7.肉類 赤身の肉を食べるなら、1日80g未満にとどめる。赤身の肉より、魚や鶏肉のほうが好ましい。
8.脇質と油脂 高脂肪食品を避ける。特に動物牲脂肪を避ける。適量の植物油を使う。
9.塩分と塩蔵 高塩食品を避け、調味塩や食卓での塩の使用を避ける。ハーブやスパイスを調味料に使う。
10.かぴの防止  かびた可能性のある食物を食べない。
11.食品保存 冷蔵庫や他の適切な方法で食品を保存する。
12.食品添加物と残留化学物質 適切に規制されていれば、添加物や農薬などの残存化学物質は害にならない。 しかし、不適切な使用は健康への害となる可能性がある。
13.調理 こげた食物を食べない。肉汁をこがさない。直火で焼いた魚や肉、塩づけや燻製の肉を控える。
14.栄養補給剤 上記の提言を守れば、がん予防のために栄養補給剤を飲むことはおそらく不要である。
(喫煙)たばこを吸わない。
P227:従来、米国の裁判では科学的な問題についての意見が必要になると、原告・被告双方で専門家に証言を依頼していたが、1993年からは裁判官が専門家の証言を確保することになる。
P250:”危篤状態の人が経験する「臨死体験」には、「解離性障害」の症状と共通の特徴があるが、病的な異常というよりは、危篤というストレスに対する正常の心理的反応として理解すべきだろうと結論ずけている。”