つっこみ力 (ちくま新書 645)

つっこみ力 (ちくま新書 645)

つっこみ力
P16:高い税率が労働意欲を削ぎ、有能な人材の海外流出を招くは机上の空論。北朝鮮には所得税が無い。
P24:福沢諭吉新渡戸稲造は平民向けの平易な文章故に、通俗的、浅薄と当時の学者から非難されている。
P28:小関智弘:職人が道具箱の中身を他人に見せないのは、技の貧しさを見破られるのを畏れて隠す。
P34:メディアリテラシーはイギリス生まれでカナダ育ちで、番組内容・広告を鵜呑みにせずに、製作側の意図による偏りを見抜くことを求めることにある。
P38:谷岡一郎「リサーチリテラシー
小島貞二『漫才世相史』、三河万歳の太夫=ツッコミ、才蔵=ボケ
P50:客の心の中に生じたツッコミを、ツッコミ役が観客代表として代弁した時点で、初めて笑いが起きる。
ボケの笑いを盛り上げる。
P55:メディアリテラシー的な姿勢が濃厚だった批判本が束になっても『買ってはいけない』を上回る部数は売れない。
P56:胎児に音楽は全く聞こえない。
P65:郵政民営化のとき、庶民はおもしろさで動いた。人は、正しさでは動かない。民主主義国家とは、正しい国のことではなく、おもしろい国のこと。
富山英彦『メディア・リテラシーの社会史』
P73:「冗談裁判所」
メル・ブルックスプロデューサーズ』(1968)ー”暴君と闘うには、説教や雄弁ではなく、嘲りのほうが効果がある。彼らは論争に強いから、討論で勝つことはできない。でも、永久に笑い飛ばすことはできる” 
つっこみ力の3本柱「相と勇気とお笑い」
P83:バーナンキの「日本はケッチャップを買え!」
インセンティブ→「ムラムラ感」
P95:インセンティブは結果論だから、予測に使ってもあてにならない。
P101:社会が求めているのは、批判力や論理力ではなく、新たな価値を提供する想像力。→ぼけの能力
血液型診断、ゲーム脳、ベストセラー理論を編み出した人たちは、類稀な「天然ぼけ力」の持ち主。正しさや論理に縛られずボケをかましたら、何故か勝組になってしまった。
P111:昭和61年に検挙された暴力団員925名中、所得税を納付したのは組長で35%、組員だと15%、
テキ屋は「商品訪問販売従事者」に分類される立派な職業
P116:ディプロマ・ミル
P152:缶入りコーヒーのシェアは自販機の数で決る。
P158:犯罪発生率を「人口/犯罪件数」とするなら世界一は「バチカン市国」ー2003年ロイター通信
P196:平成10年、経済生活に起因する自殺者6058人中、負債2977、事業不振1165、生活苦735、失業409
P202:「ゆとりローン」犠牲者の返済6年目に突入した平成10年に自殺者が急増。
P205:大正時代の「借家人同盟」
P211:昭和30年から平成6年までの40年で、勤労者賃金20倍、住宅建築費20倍、物価水準5倍〜6倍、全国平均地価85倍、首都圏地価127倍、一戸あたりの土地面積拡大から実際の土地購入費用は150倍〜230倍。
P214:自殺を企てている者を救う最良の方法は、ただ「話」を聞いてやること。
リットマンの法則:危機が強ければ強いほど、専門的なケアを必要としない
日本の「いのちの電話」はドイツ人宣教師ヘッドカンプが奔走して昭和46年に開設した。
P217:100年前デュルケームは『自殺論』で、”人間同士の絆が弱い社会ほど自殺が多い”という結論にたどり着いている。
”人間を忘れて世相や世間や社会を論じることの虚しさ、滑稽さったら、ないです。”