ふしぎな生きものカビ・キノコ―菌学入門

ふしぎな生きものカビ・キノコ―菌学入門

ふしぎな生きものカビ・キノコ
ファリック酸
P45:マラセチアは美食家で、寒天培地表面が高級オリーブオイルに覆われているときだけ、シャーレの中で育つ。
P48:脊椎の中の透明な液体(髄液)は脳の中空部分を通って循環している。
P52:ヘベローマ・シリエンシスの別名は「死体の第一発見者」
P53:クリプトコッカスとフィロバシディエラは、単一のゲノムを持つ一つの種の異なる表現型。→この関係はアナモルフ(無性生活環と擬似有性生活環)−テレオモルフ(有性生活環)連携と呼ばれる。
P85:木材腐朽菌にセルロースが分解されて消えると、リグニンという暗褐色の高分子化合物だけが残る。
P86:クロカビの中には抗菌効果、・・・ゴルフ場の草を枯らす菌と海草を食べるその近縁種は、動物タンパク質を与えると、途方も無い量のプロテアーゼを生産する。
P87:腐生菌は掃除屋として生化学的分解力(努力)を必要とするが、寄生菌はいつも同じもの食べていれば良い。
P89:クチクラ層は菌の侵入に対する機械的なバリアーとしては、全く無意味だと思われている。
P90:過去には、鷲口瘡またはアフタ(口腔内の白い斑点)が幼児の主な死亡原因
P92:カンジダが組織に入ると、プロテアーゼを出してタンパク質を溶かし、菌は餌になるアミノ酸の中にはいる。いったん、糖類やアミノ酸などの低分子化合物がもとの基質から溶け出すと、菌は電気的な働きによって、これら栄養物を吸収する。
P94:菌糸の膨圧は、1〜10気圧の間、圧力は酵素によって餌が軟らかくなったあとの物理的障害を打ち破るのに役立つ。
P97:菌根菌は地下の岩盤からミネラルを採り出して植物に与えることで、陸上植物の進化を促すのに決定的な役割を果たしたろう。
P101:表面張力が菌糸を支える。・・・ある菌は油膜を使い、水の表面張力を下げる。この菌は水溶性淡白質を分泌し、水と空気の界面にできる薄層に蓄え、この滑らかな膜が胞子生産直前の菌糸を守る。個々の菌糸が表面張力に打ち勝とうと力を合わせ、それがキノコ、子実体を作ることにつながり、一つの力は数マイクロニュートンであっても、何百万本もの菌糸から出る力が集まって歩道の石を割る。
P102:多細胞生物の全ての遺伝子を解読しても、どのような形態ができあがるか容易になるという楽観論は誰も信じていない。・・・遺伝子はタンパク質を特定するのであって、少なくとも直接細胞の形を決めるのではない。
P110:コルディセプスの近縁クラビセブスの作る麦角のエルゴタミンはパンを焼く高温でも壊れない。
P174:ビッグペイン病
P194:水生菌フェロモン(アンテリジオール=オーゴニオール)の化学構造はヒトの性ホルモン(エステロン、プロゲステロン、、テストステロン)に良く似ている。
P222:自然科学領域で愛好家が学者と肩を並べるのは「キノコと天文学
P243:抗生物質を出すことで、殺した細菌から窒素を採ることができる。植物組織は糖類を多く含むが、窒素は僅かしかない。
P249:トリコテセン系のマイコトキシンはソ連が1970年にラオスカンボジア、1980年にはアフガニスタンで使用している。→「黄色い雨」
P270:イネいもち病菌:イネを襲うのは無性世代、生活環の分生子を作る部分だけ、この「附着器」の内部圧力は「80気圧」を超え、防弾チョッキに穴を開ける。