支配と服従の倫理学

支配と服従の倫理学

支配と服従倫理学
P7:P・ガクソット『フランス人の歴史』三、みすず書房、1975年、618-619頁、612-614頁
P8:コントが社会学を生み出した動機は、社会秩序を維持する諸手段を発見すること。
P11:人間はきちんと損得で動いていると、その限りではあんまり無茶はしない。・・・暴力団同士の抗争が激化しても、相手の家族は狙わない。
P12:(暴力団は)警察に勝る捜査能力を持つ。→ラーメンスープの出汁にされた鳴海某
P16:利権が絡んで対立抗争している間は人間というものはまだ理性的に動く。・・・組織全体に理念と言うか、観念的なものが絡んでくると歯止めが効かなくなる。
P17:ハンナ・アーレントイェルサレムアイヒマン−悪の陳腐さについての報告』
P34:『[図説]世界の銃パーフェクトバイブル2(歴史群像シリーズ)』2005、133-134頁→ゲディスバーグで兵力の3分の2に当たる27000人の死傷者を出して退却した南軍が戦場に残した銃3万挺の内90%には発砲の跡が無かった。・・・多くが1発から10発の弾丸を装填したまま発砲していない、最高は23発。
P46:太田昌克『731 免責の系譜』
P49:「焼却所=パン屋、ガス室送りの者=モスレム、犠牲者所有物の保管庫=カナダ」、ラウル・ヒルバーグ『ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅』ー「人間的な反応」を避ける為にこそガス室は発明された。(トドルフ)
P53:・・・手続き、技術的な問題のみに意識的に自己の精神を集中させ、自己の視界の領域を狭めるのであり、・・・自分が行っている行動の意味を意識化することを現に避け得る。
P59:”労働の区分化が道徳意識を停止させたのだ。”
P62:・・・殺人の責任を免罪され得る者がいるとするなら、それは命令を拒否した時、殺される立場にいた者だけ、・・・
P65:ユダヤ人評議会:例えばカストナー博士はハンガリーで、47万6千人を犠牲にして正確に1684人を救った。
P72:モーリン・ヘンシェル、レオ・ベック
P74:・・・彼らが警告した通りにユダヤ民族の国家が滅ぼされてしまった後で、文書として残された。予言通りに実現してしまったために、彼らの言葉が評価され、文字にして残された、・・・それが旧約聖書である。
P75:日本の会社員は過労死を立証しようとする同僚の遺族に協力しない。・・・それを予測していながら考えまいとしている臆病で卑屈な自分の姿、会社内の対人関係にもたれ合いながら会社の方針に唯々諾々と従っている卑屈な自分の姿が、否応なく自分の意識の内に現れてきてしまうからである。
P79:NHK、1990年4月「第二次交通戦争の構造」:日本の自動車メーカーは輸出仕様車にはドア内部のサイド・ビーム(鋼板)を入れていたのに、国内向けの同じ車種には入れなかった。
P106:被害者に対して、加害行為をしたことで、蔑視感情が出現する。
P109:「美術鑑賞」:「返報性のルール」贈与を受けた場合、(要請者に対する)好意度と返礼・報酬との相関関係が全く無くなる。→「ただほど高いものはない」
P116:蔑視は加害行為を免罪してくれる。
P122:「服従すべき相手を変えた。」はミルグラムの見当違い。不服従である。
ミレナ・イェゼンスカ
P131:野原伸之助は場所柄をわきまえないから嵐を呼ぶ。
P132:「場面の礼儀」参加者達によってひとたび場面の定義が提案され、賛同されたならば、それに文句を付けてはならない。
イグナチィオ・シローネ
リチャード・クロスマン『神は躓く−西欧知識人の政治体験』
P165:神とは結局、あなた自身のことに過ぎない。・・・あなたを裁くのはあなただけなのである。
P166:大体において人生は自業自得である。特に40歳を過ぎれば。
P191:ラインハルト・ハーニッシュ
P194:「大衆の受容能力は非常に限られており、理解力は小さいが、そのかわり忘却力は大きい」
レネ・シッケレ「痴情的殺人」
P197:ヒトラーというは中年貴婦人達の”性的欲望すれすれの母性本能”をくすぐり、たらし込むのに非常に長けた人物だった。→ハンス・ペーター・ブロイエル『ナチ・ドイツ清潔な帝国』
P200:ヒットラーは総統就任後国家から給与を貰わずに、『我が闘争』の印税のみを受け取った。もっとも、この本は新婚夫婦が戸籍登録する際に国から贈与されたので、印税は膨大な額になった。
P219:”素朴な質問”:ソクラテスは古代の「クレヨンしんちゃん
P244:マルクス主義は人に対して利益をではなく犠牲を要求した。・・・利益よりも献身の方が人を引き付ける。
P246:マルクス主義は人の罪悪感を刺激することに成功した。
P250:「原罪」=責任転嫁
P257:「・・・マルクスは革命を考え、この担当者を模索した結果プロレタリアートをいわば発見した。けっしてこの逆ではなかった・・・」
P266:「観念による人間の支配」、”人に犠牲を要求してくるような倫理的観念”、”倫理的思考こそがデマゴギーの正体”、「デマゴギーとは大衆に対する倫理的煽動のことである」、人が大量現象として反倫理的なことをするのは、・・・倫理観が何らかの形でそこに働いているからである。苛められているを告白出来ないのは、そこに仲間同士の倫理観が働いている・・・仲間内の倫理に反する行為だからチクれない・・・倫理の最大の敵は倫理、倫理的桎梏から外れて非倫理になることの必要がここにある。
P268:・・・常に被害者であると主張し続けること、これが他人に対して常に加害者でい続けるための必須条件・・・
「無私を装うエゴイスト」、・・・人は幼少期を過ぎると本性を隠すことを覚える。(だから)・・・えてして本性とは正反対の人物になりおおせている。(ところが)・・・他人に対する非難においては・・・彼は自分の本性を投射してしまう。
P271:悪意ある権力者とは、他人に寄生することでしか生きられない人間。
P273:毛沢東と李志綏
P274:自分とのパイプ以外のパイプを切ってこようとする人間、これを信じてはならない。・・・ソ連を崩壊させたのはTVである・・・
P277:見知らぬ相手は・・・あなたに対して悪意を抱いている可能性は少ない。(親しい人間ほど、根深い悪意を抱いている可能性が存在するからである)
P280:ある一つの権力を潰せるのはそれを上回る外部権力 → 外部機関に内報
P281:・・・この私がこの私の責任において悪事を働くこと、恐らくはこのことだけが悪の大量現象を阻止し得る・・・
P282:・・・一番裏切り難いと思わせてきたその人物こそ、私は裏切るべきなのである。
P288:核は民主主義兵器(ピーター・フランクル):核は戦争を民主化させた。・・・指導者層を銃後の安全圏に置かないこと、核シェルターの中に置かないこと。
P292:「心理的ゴミ捨場」、松坂慶子をその父から奪った高内春彦は偉い。