なぜ無実の人が自白するのか―DNA鑑定は告発する

なぜ無実の人が自白するのか―DNA鑑定は告発する

なぜ無実の人が自白するのか
P65:DNA鑑定の時代においても、警察の取調官はミランダ原則が存在し、かつ他の手続き保障があるにもかかわらず、虚偽の自白を引き出し続け、そして最終的には、裁判官と陪審員は無実の人に対して、補強証拠がないのに虚偽である自白証拠に基づいて有罪判決を下し続けている。
・・・刑事司法に携わる公務員と陪審員がしばしば、自白証拠を特別に説得力があるものとして扱ってしまい、被疑者の無実に関する強力な証拠があっても、有罪認定をしてしまうほどに決定的なものと受け止めている・・・
・・・現実の陪審員は、虚偽の自白証拠について、適切にその証拠価値を割り引いて評価することをしない、・・・・
P67:「ライアン・ハリス事件」1998年7月27日
10代の被疑自白者の多くが、取調官の「自白すれば家に帰す」の言葉を信じて自白する。
P69:「アレン・ジェイコブ・チェスネット」ーアレンによると16歳の彼は成人用の郡拘置所で一度刺され、二度レイプされた。
P71:知的障害者心理的取調べの技術に対して特有の脆弱さを持つ
「マイケル・ゲイルズ」2000年8月31日
「カリーン・ブルー」2001年8月
ジャスティン・メロー殺害事件」
「ローリー・ロシェッティ強殺事件」
「ジェリー・フランク・タウンゼント」>エディー・リー・モスリー、リサ・ウェイクマン
(虚偽自白者の訴追)
P91:「デイビッド・サラシエノ」、「テレサ・ゾーンベルガー」
P94:・・・自白が虚偽であることが警察段階で発覚せず、公判前に検察側により取り下げられることもなかった人々のうち実に86%が結果的に有罪判決を受けている・・・
「コレジアン・ベルの殺人事件」

P150:合衆国では1989年からみて、少なくとも405人が冤罪の発覚により開放されている。『1989年から2003年までのアメリカ合衆国での冤罪』サミュエル・R・グロス
「ドリー・ドットソン」
P151:1973年から2007年5月までの間で124人の死刑囚が雪冤され釈放されている。
P155:誤って有罪判決を受けた125人中の73人(64%)は18歳以上、虚偽自白者125人中、精神遅滞者は27人(22%)。「報告された虚偽自白者の大半は、認知力も知能も通常の人によるものである。」ーリチャード・レオ&リチャード・オフシー『虚偽自白の真実と弁護論』
P159:虚偽自白を引き出した125例中、89%が24 時間以内に自白しており、取り調べ時間の平均は16.3時間。この125例中、不起訴者を除いて、51人(41%)が事実審理を受けるか有罪答弁の選択をしなければならなかった。51人中、14人(27%)が事実審理を避けて実に覚えの無い犯罪の有罪答弁をする選択をした。残りの37人(73%)が事実審理を受けるが、30人(81%)が有罪判決を受けた。「つまり、典型的に、後に虚偽であることが判明した自白以外には依拠するものがないにもかかわらず、事実審理を選択したうちのおよそ5人に4人の無実の人が、誤って有罪判決を下されていることになる!」

「セントラルパーク・ジョガー」
「ブルース・ゴッドシャーク」
「アール・ワシントン」
P167:1932年、チャールズ・リンドバーグの赤ちゃん誘拐では、実に200人がその犯罪について自白している。
2006年「ジョーン・マーク・カル」
1956年「ロバート・ウィリアムズ」
1943年「デルフィーン・バートランド
1979年「ミスターE」
(愛する者を殺害した、との虚偽自白)
1993年「ゲーリー・ガウガー」
1973年「ピーター・ライリー」
1998年「マイケル・クロー」
1992年「ベバリー・モンロー」
2006年「オーゼム・ゴールドワイア」
2000年「コレジアン・ベル」
1999年「キース・ロングティン」
1988年「マーティン・タンクレフ」

P178:「三奈の会」会長は警察に、自分の妻がぶどう酒に毒を入れたかも?と推測を告げている。
P191:松倉鑑定は歯と王冠痕跡相互の写真倍率を調整して一致するように見せかけた捏造。
P192:ニッカリンTならばトリエチルピロホスフェートが検出されないのは有り得ない。
P195:米国125例の虚偽自白事例の81%が極刑の予想される殺人事件に関する自白。