サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)

サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)

P38:「共同注意」
P43:(視線カスケード現象:まとめ):1)定位反応が意識に先行し、これは不可欠。2)前駆過程は身体的であると同時に潜在的=無意識的、無自覚的。3)「選び好む」という主観的、感情的判断だけに特異的であり、他の客観的判断では見られない。4)「体の反応が感情に先立つ」という、ジェームズ−ランゲ説の伝統に沿う。5)定位反応という適応機構を基盤にして、社会行動の促進のために進化した。
P45:臨床心理家は過去の客観的事実よりは、本人の心を重視して、そのリアリティの方を優先させる。−”過去の客観的事実よりは、患者が現在記憶を「取り戻し」、実際に症状が治癒したことこそが重要だ”
P46:主観的で個人的なリアリティと客観的で公共的なリアリティ
P73:ポーカーのセミプロは「手札の経済価値」の計算に特化した神経活動(=努力)のレベルは素人よりも低い。
P80:「モンキーTV」:毎週YOUTUBEのTOP10をサルに見せると動物ムービーと(カンクーなどの)アクロバチックなアクションを特に好む。
P85:(親近性と新奇性)
P145:「エンリッチ名環境」
P147:1)選択と自己制御感の経験が広がり、深まるにつれ、それに見合うように期待も増す。制約が徐々に壊されるにつれ、残っている制約がよりいっそう不愉快に感じられる。2)多い選択肢が大きな自由を意味するとは限らない。(シュワルツ『なぜ選ぶたびに後悔するのか』)
P150:「自由で、ゆえに責任ある個人」の理想像は幻想だったのではないか?
P168:親近性と新奇性は心理空間では相反するものではない。
P173:選択行為に関わる高級感が商品価値を高める。:高値の付いたワインを敢えて買うという行為が、その味を経験する快の神経メカニズム(眼窩前頭皮質)を活性化し、味を実際によくする。(H・パスマンら、2008年)
P176:事実の問題を価値の問題にすり替えてしまう傾向がある。
P177:「仕掛ける」側の潜在/顕在のあり方が大きく変化した。
P188:制御と自由は両立する:自由も不満(=不自由、被制御感)も「想像する」能力から来ている。
P193:「選択盲」
P215:一週間後に嘘がばれても、恐怖を刷り込むのには充分、怪しげな発言や情報は訂正されても完全に記憶から消えうせることは無く、世論に一定の持続的影響が残る。
P217:避けようと強く意識すればするほど「はまって」しまう:(顕在レベルでは本当に忘れていても)「忘れろ」と教示される方が、「覚えていろ」と言われた場合よりも、「有名度」判断が平均して高い。(UCLAのE・ビジョルクら、2003年)
P251:「独創的な発明、発見が天才の頭の中だけでは完結しない」
P256:意識(「知っていると」知っている範囲)、前意識(知らずに「知っている」範囲)、無意識
P266:「変化盲」http://www.cs.ubc.ca/^rensink/flicker
P268:記憶を脳内に刻み込まれた何かの痕跡やアイコンのように考えてはいけない。
P271:歴史的大発見は、しばしば「夢」がきっかけ
P290:天才の仕事の多くは「一発屋」的
P291:・・・たとえば私なら、全体の状況をよく分析し、しっかり把握してから忘れることを勧めます。全体の歴史的文脈にについても同様に。この忘れる、つまり顕在知から潜在知に貯蔵し直すことが、案外重要なのではないか、と思うわけです。さまざまな視点からの分析や知見を、潜在知の領域に貯めこんでいく。・・・