メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学
P18:2006年5月6日「白インゲン豆ダイエット」TBS系列で放送。番組では「大福豆」が使われたが、視聴者は当然「白花豆」で試した。・・・ファセオラミンの活性を保持したまま食べるのは、通常の調理では無理だが、この中毒事件で逆に脚光を浴び、人気を高める。・・・2006年12月8日ケンコーコム発表「売れ筋健康食品番付」ではファセオラミンが東の横綱になる。
P25:日に「2パック」も納豆を食べれば、おのずと食事メニュー全体が変わる。
P32:長村洋一:催眠成分の多いのは普段目にするレタスとは別種で形が全く違うワイルドレタス。有効成分は「ラクチュコピクリン」、2005年7月15日共同通信社の配信記事には「ラクッコピ”コ”リン」と無理に命名。・・・
P35:「健康食品管理士認定協会」
P39:エタノール致死量は体重1キログラム当たり「5〜8」グラム。
P42:動物での無毒性量に100分の一をかけた数字を、人の「一日摂取許容量」(ADI)とする。
P49:今や日本の残留農薬規制は世界一厳しい。
P53:WHOは2006年9月、マラリアに感染しやすいアフリカを中心とする地域で、”DDTを家の壁の内側にスプレーして蚊を防ぐことを推奨する”、声明を発表した。・・・「国際がん研究機関(IARC)」が、DDTを現在では「ヒトへの発がん性を分類できない」グループに落としている。・・・DDTによる環境ホルモン作用は魚類では認められるが、ヒトへの作用は見解が纏まらない。
P60:PCBの処理技術自体は確立されて、工場処理は難しくない。注意点はむしろ輸送の過程。
P64:1995年、45日間でラットの血糖値を下げた「S−メチルシステインスルホキシド」を摂取するには、体重50キロの人で毎日50キログラムのタマネギを食べる必要がある。
P64:2004年3月8日、日本テレ系列「おもいっきりテレビ」のシナモンは、効果を得るには食後に「1、3、6」グラムで、1グラムでも料理に50振りは必要。・・・シナモンの「クマリン」は大量摂取で肝障害。
P70:βカロテンを日に「30ミリグラム」投与されたグループの肺がん発生率「28%」上昇。
P76:「食物繊維は大腸がんリスクと関連なし」
P86:消費者運動市民運動に熱心だった人ほど、環境ホルモン騒動で刷り込まれた知識が更新されていない。
P90:「悪いニュース」が後に誤っていたことが分かっても、「警鐘をならしたのだから」と免罪される。・・・「危なくない」という報道は難しい。
P94:MCS特有の症状というものがない。
P102:MCSは遺伝的に特異な体質の人に起こる。
P115:「マーケットバスケット方式」:食品中に元から含まれる添加物と同じ成分もカウントしている。・・・総摂取量の7から8割は添加物としての摂取ではなく食品から摂る「天然物」。・・・科学的合成の添加物の一日摂取量は「約0.1グラム」
P118:野菜の硝酸塩も体内で亜硝酸イオンに変わる。
P132:自然素材石鹸は原材料として大量の植物性油脂や動物性油脂が使われ、使用後も廃水中で有機物を多く作り出し、浄化に時間が掛かる。合成洗剤よりも環境負荷が高い。
P133:2005年食中毒統計によると、細菌16678人、ウィルス7828人、キノコ・フグの自然毒285人、化学物質111人。食中毒死亡は7人で自然毒6人、サルモネラ菌1人で化学物質の死亡は「0人」
P135:植物は往々にして、ストレスに対して体内で自ら防御物質を作り、身を守る・・・植物由来の食品中に農薬効果を持つ物質が含まれているが、その重量の「99.99%」を占めるのは天然の物質。
P136:「天然農薬」−キャベツには49種類の天然農薬があり、それらの多くが発ガン物質。・・・森山達哉「一部にアレルギーを起こすアレルゲン量が無農薬栽培りんごで最も多く、慣行防御りんごでは殆ど無い」
P140:有機農産物の大腸菌汚染率は9.7%、慣行農産物は1.6%で、有機農産物は6倍も汚染率が高い。
P141:2003年、食品基準庁「有機食品が通常の食品に比べて、安全で栄養があるという証拠は現時点ではない」のでこれらを仄めかす有機食品の広告は禁じられている。
P142:「日経レストラン」2006年10月号、農産物の味比べでは、有機農産物が負けている。
P143:有機農産物の国内生産は「0.16%」(2005年)
P148:大豆イソフラボンサプリメントとして摂取するには要注意。・・・カテキンの大量摂取で劇症肝炎、肝障害
P152:「味噌玉」:昭和20年代、多くの農村では原材料を煮てつぶしたものに麹屋から米麹か麦麹を混ぜて、冷暗所の天井から吊るした。麹が高価だった時代、空気中の雑菌も利用して醗酵を進める。仕込んで3年ぐらいが食べ頃だったという。
P153:現代の味噌は1948年、アメリカの生活改善制度の成果である「余剰トマトの瓶詰め」の読み替えによる「科学的味噌造り」を習った当時の若嫁、すなわち現在の御婆さんが製造している。
P156:大豆の1日当り摂取量、1946年37.2グラム、1960年64.8グラム
P158:1959年の農村の食卓では、野菜が不足がち、大豆をあまり食べない、動蛋白の摂り方が不合理。
P160:胃がんに関しては「伝統型」のリスクが数倍。
P161:農村の「素晴らしい伝統食は、年に数回ある『ハレの日』の行事食の調理法である場合が多い。普段は、『ばっかり食』だった」
P162:布施克彦『昭和33年』
P187:「粥占い」
P201:2006年、イリーナ・エルマコヴァはトンだクワセモノ