ヤバい経済学 [増補改訂版]

ヤバい経済学 [増補改訂版]

ヤバイ経済学 スティーヴン・D・レヴィット
P4:原告ノーマ・マコーヴェイ(仮名ジェイン・ロー)、1973年1月22日中絶合法
P9:不動産の営業担当者は自分の家は10日長く市場に出して3%強ほど高く売却する。
P11:絶対に寄付しないのは負ける候補−本命や現職候補者が大金を使うのは本当に負ける可能性があるときだけ。
P14:インセンティブは現代の日常の礎である。
P16:アダム・スミスが本当に考えていたのは個人の欲求と社会規範の衝突だった。
P24:保育園児の迎えに遅刻する親に少額の罰金を課すと遅刻する親が増える。17週目に罰金を止めても遅れる親は減らなかった。遅れる親は、罰金を払う事も無く、その上罪の意識も無くなった。
P25:献血者に少額の奨励金を支払うと献血は減る。
P26:1987年4月15日に所得控除で扶養する子の社会保障番号を記載する旨のルール変更で全米から700万人(10人に1人が)の子供が突如として消えた。
P44:アリムザン・トクタコノフ
P49:大相撲力士の星の貸借は次の対戦まで
P51:ポール・フェルドマンのベイグル
P57:インチキしたからこそ役員になれたのか?
P58:「ギュゲスの指輪」
P62:ジム・クロウ法、「プレッシー対ファーガソン」裁判
P63:1920年代にKKKの構成員800万人の全国組織となると黒人、カトリックユダヤ人、共産主義者、組合活動家、移民、煽動家、その他既存の体制と対立する者も標的とするようになる。WW2による国民の団結が分離主義というKKKの主張に勝り、国民感情はKKKに背を向けた。
P64:ステットソン・ケネディ=ダディ・メンション
P66:『KKKのフードを剥ぐ』、ジョン・ブラウン
[Ayak=Are You a Klansman?]
P67:黒人に対する(通報された)リンチ件数(タスキー研究所)
1890-1899 1111
1900-1909 791
1910-1919 569
1920-1929 281
1930-1939 119
1940-1945 31
1950-1959 6
1960-1969 3
P71:戦争の間『スーパーマンの冒険』はヒーローがヒトラームッソリーニヒロヒトと戦う姿を描いていた。戦争終了後スーパーマンはKKKに立ち向かうことになる。
P91:『ウィーケスト・リンク』でヒスパニックは「情報」に基づく差別に遭う。ヒスパニックは始めのほうのラウンドで降ろされるが、後のほうでは降ろされない。
一方、年寄の挑戦者は「選好」に基づく差別に遭う。彼らは後先の両方で降ろされる。
P104:広告研究者ジェイムズ・B・トウィッチェル「リステリンが作り出したのは、うがいよりもむしろ口臭のほうだ」
P106:スディール・ヴェンカテッシュ
P122:クラック売人の4人に一人は殺される
P130:オスカー・ダニーロ・ブランドン
P138:「禁欲税」
P146:アイザック・エーリッヒの1人の死刑で7件の殺人が減るは楽観的過ぎる。アメリカで執行された死刑は1991年に14件、2001年で66件なので、増えた死刑52件分364件の殺人が減る筈だったが、2001年では4%の減少。
「私は、道徳的にも知的にも、死刑という実験は失敗だったと告白する義務があると思う」連邦最高裁判事ハリー・A・ブラックマンが1994年に−
P158:クラック絡みの殺人で多いのは、クラックの売人が他の売人を撃つ形で、ヤク中が数ドル欲しさに店員を撃つ形ではない。
P168:犯罪を抑え込んだのは「ロー対ウェイド」裁判
P168:経済学者の業界用語でいうと、犯罪の減少は中絶合法化の「意図せざる便益」である。
P176:アメリカでは1年間に家のプール11000個当り子供が1人溺れている。銃では100万丁強当り1人の子供が死んでいる。銃よりも家のプールのほうが100倍危険なのである。
P177:ピーター・サンドマン「人が怖がるリスク要因と人を殺すリスク要因は全く別なのです。・・・自分でコントロールできないリスク要因に比べると、コントロールできるリスク要因は怖がられないのです」
P183:ジュディス・リッチ・ハリス『子育ての大誤解−子供の性格を決定するものは何か』
P188:学校選択制度の抽選に「参加」したシカゴの生徒は参加しなかった生徒に比べて卒業にこぎつける可能性が高かった。
P191:1990年代後半、「初等教育の縦断的調査(ECLS)」
P210:・・・貴方が親として何をするかはあまり大事じゃない−大事なのは貴方が、どんな人かなのだ。そういう意味で、あれこれ手を出す親は、お金があれば選挙に勝てると思い込んでる候補者みたいなものだ。
P214:ウィナー・レイン、ルーザー・レイン、テンプトレス
P217:ローランド・G・フライヤー・JR
P220:子供に超クロい名前をつけるのは、黒人の親が地域社会に送る連帯の意思表示だ。
P225:イスール・ダニエロヴィッチ→カーク・ダグラス、ツェルマン・モーゼズ→ウィリアム・モリス
P287:食べ物が減ってくると人はお腹が減らなくなる。
P288:香りの無い油(エクストラ・ライトのオリーブオイル)、砂糖水(フルクトースのグラニュー糖)を大匙に数杯、食事と食事の間に何回かすする。−甘さは「おいしさ」に入らない。
P339:平均で見ると、アメリカでは犯罪に係る確率は白人より黒人の方が高いというのは本当だ。でも、とても重要なことだけれど、所得、女性が世帯主の家庭で育った確率、母親がティーンエイジャーである確率、そして環境がどれぐらい都会であるかの影響を調整すると、殺人以外の全ての犯罪で人種の影響は消える(殺人での格差の一部はクラック市場という要因で説明できる)。言い換えると、殆どの犯罪について、お互いに隣同士で育ち、所得も家族構成も同じである白人と黒人では、殺人に係る確率は同じなのだ。実証的に言うと、大事なのは、望まないのに妊娠した場合に、また妊娠した人がティーンエイジャーや独身である場合に、中絶が高い割合で行なわれている事実なのである。・・・女性が中絶を受けるとして、殆どの場合、その人が産む子供の数は変わらない。むしろ、産むタイミングを変えるだけで、もっと歳をとってからその分の子供を産むのだ。・・・妊娠4件当り1件は中絶で終わる。そんな状態が30年も続いている。でも、中絶が全体の出生率に与えた影響は物凄く小さい。
P367:行動経済学の「アンカリング」
P378:トーマス・シェリングの「ティッピング・ポイント=閾値
P394:「合理的経済人」−「独裁者ゲーム」で条件を「0ドル以上10ドル以下」から「マイナス1ドル以上10ドル以下」にすると3ドルだった渡す平均は1ドルへと下がる。更に「マイナス10ドル以上プラス10ドル以下」とするとマイナス3ドルになり、利他的だった筈の皆さんが相手から平気で平均3ドルも掠め取る連中に変る。そして両方の被験者に簡単な作業をしてもらった上で同じ選択を迫ると、殆どがゼロ、つまり相手に1ドルも渡さないし相手から1ドルも取り上げない行動を取った。
・・・他人の利益を考えているように見えるかどうかをとても気にする形で利己的かつ合理的な人間という姿が浮かび上がる。
・・・ポール・フェルドマンの顧客の中でダントツで回収率の悪い業界は「テレマーケティング